かすかに浮かび上がる白のフォルムは、まるで霧の中に佇む花のよう。
明確な輪郭を持たず、光と影の境をたゆたうように、その姿は曖昧に揺らめきます。
平松氏が筆を取るときに拠りどころとするのは、「今、この瞬間に腑に落ちるかどうか」という感覚だけ。その純粋な感応のままに重ねられた薄い層は、まるで息づかいのように画面の上に留まり、見る者の心の奥に静かな波紋を広げていきます。
花のようにも、光の残像のようにも見えるそのかたちは、季節や時間、そして記憶といったものの移ろいを穏やかに受けとめるように存在しています。言葉にならない「感触」そのものが、画面にそっと宿ったような一枚です。
こちらの作品は、2025年8月29日(金)から9月13日(土)まで開催された個展「徒然 ー Tsurezure - As It Comes」の為に、制作いただいた作品です。
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